☆夏の残像☆

<修羅場編>

 

○古河家

朋也「藤林、プリントアウトすんだ分からもってコンビニに走ってくれ」

椋「あっあの、コピーしてきた分はどうするんですか…」

朋也「渚と杏に渡して折って貰ってくれ」

ばたばたばたばた…

朋也「一寸待て、風子、汐を放すなぁ〜」

早苗「わたしが見てますから」

朋也「すみません…って風子、それじゃ折る方手伝え」

智代「意識がないぞ、大丈夫なのか」 

朋也「幽体離脱して逃げたか…」

ことみ「きのうはサンクリきょうはレヴォそしてあしたは夏コミ」

チョキチョキチョキ…

杏「って、あ〜ぁ…誰よ! ことみにはさみ持たしたの」

 古河家の居間はまさに戦場だった。何故なら夏コミの準備で修羅場だったから。

 言い出しっぺは、勿論オッサンだった。そして、修羅場を感じ取りとっとと逃げた。

 次ぎに乗ってきたのは杏。杏に連れられて藤林も参戦させられた。そして、藤林姉妹に着いてきたのがことみで、オッサンの変わりに渚が加わり、渚のおまけがまたまた遊びに来ていた風子…。あとはどこで話を聞きつけたか智代と宮沢が援軍として加わっていた。

 先ほどまでいた汐は早苗さんに連れられて一緒に店番に行った。

 とまあ、こんな感じだか…

春原「僕を忘れてもらっては困る」

朋也「いたのか」

杏「戦力外ねっていうか、椋の替わりにコンビニに行きなさい」

朋也「そうだな。でないと智代の128コンボだ」

智代「…余り乗り気がしないが、お前が言うのならやってみよう」

杏「だそうよ。さっさと行きなさい」

春原「僕には拒否権無しですか!」

杏「そうね。妹さんの方が役に立ってるし」

 焼き上がったCD-Rとジャケットを黙々とプラケースに詰めている春原の妹、芽衣ちゃん。

芽衣「よく言われます」

朋也「ところで宮沢、いつものお友達はどうしたんだ」

有紀寧「渚さんのお父さんと一緒に野球に行きましたよ」

 オッサンも凄いな。或る意味尊敬に値する。ていうか、似たもの同志相通ずるものがあったんだろうな…。

風子?「うぐぅ〜此処どこ…」

渚「風子ちゃん気がついたの」 

風子?「えっ? ふうこってだれ…ボクはあゆなんだけど」

朋也「なに訳わからん事言ってるんだ。まあいいや、取りあえず、春原と藤林がコピーしてきたヤツを折ってくれ」

風子?「うぐぅ…ここでも似たようなことやってるよぉ」

 

 

 

○水瀬家

香里「取りあえずPC用のエンブレムの方はこれで良いわね」

祐一「こんなんじゃのすぐに無くなるぞ」

栞「そうですね。祐一さん、もう少し作っちゃってください。お姉ちゃんはコピー本の方ホチキスで留めていって下さい」

祐一「あゆが手ぇ空いてるだろ」

あゆ「うぐぅ…人使いが荒いよう」

名雪「祐一も紙袋に紐通すの手伝うんだよ」

佐由理「あっ、佐佑理が手伝いますよー、舞も終わったら手伝って」

舞「…分かった」

真琴「美汐、こんな具合でいいの」

美汐「はい。真琴は仕事が丁寧ですね」

真琴「あうぅ〜。美汐は祐一とはちがって優しい」

祐一「天野あんまり真琴を甘やかすなよ」

 水瀬さんの家の居間は修羅場と化しています。

 原因は私にあるんですけど…。

 一度サークル参加した池袋の同人誌即売会での完売に味を占めて今度は有明の大型同人誌即売会に…、と今度で即売会サークル参加通算三回目です。最初は、祐一さんだけに手伝ってもらっていたんですけど、今回で三度目、しかも固定客の人も着いてきたのでとても二人のだけでは太刀打ちできず、お姉ちゃんと、名雪さん、そして、祐一さんの知り合いを総動員です。

北川「こうやってみるといっぱしの大手サークル並だな」

栞「これでも再版ばっかりで、新刊は一冊しかないんですよ。しかもオフセ間に合わなかったからこうしてコピーです」

 私は製本作業の手を止めて言いました。

栞「でも、なんでこんなに大事になったんのかいまだに分かりません」

北川「美坂姉妹と先輩方二人がウチの制服で売り子やってたら注目の的だよ」

佐佑理「あははー。佐佑理達二人で良かったらいつでもお手伝いしますよー」

舞「…佐佑理さえよければ」

香里「…ある意味屈辱的だわ…」

北川「何でだよ」

香里「卒業したのに何で制服着なきゃならないのよ」

栞「コスプレは嫌いじゃないですよ」

香里「まんまじゃないの!」

美汐「栞さんの最初の本の内容だとおもいます」

栞「ありのままのことを書いただけなんですけど」

祐一「そこらのドラマより内容が濃いからなぁ…」

栞「祐一さんはすこしエッチですけど」

香里「大事な妹に手を着けたんだから責任はとりなさいよ」

祐一「…だから、ちゃんと籍入れたんじゃないか。ていうか、責任云々言う前に、栞と別れようなんて考えつかないんだけど」

一同「…」

名雪「なんだか恥ずかしいセリフ聴いた気がするよ」

 なんだか顔が火照ってきました。恥ずかしいことをたまにさらっと言う祐一さんがとても好きなんですが、みんなの前でって言うのは一寸…。私と祐一さんとに視線が集中し始めたのでここは一端話を逸らしましょう。

 ふと、あゆさんの方を手が止まっています。

栞「あのーあゆさん…」

あゆ「…」

 ぴくりとも動きません

名雪「あゆちゃん?」

あゆ「…」

佐佑理「あゆさん?」

 ごろん…

舞「ここにはいない」

美汐「意識がないようです」 

名雪「お母さん呼んでくる…」

 ばたばたばた…

 まもなく、秋子さんがやってくる。

秋子「脈はある診たいですね…ううん…これは」

 少しいつものポーズで考えると

秋子「幽体離脱かも知れませんよ」

祐一「何年も生き霊やってたから癖になったのかも…」

栞・名雪「祐一さん!」「祐一!」

祐一「別に悪気があっていった訳じゃない。第一責任の一端は俺にあるんだし…」

秋子「…そうですね。でも、祐一さんも自分を責めちゃダメですよ」

あゆ「う…ううん…」

名雪「あっ! 気が付いたみたいだよ」

あゆ?「風子…参上」

祐一「あゆ、寝ぼけてるのか。それとも、幽体離脱しておかしくなったのか…」

あゆ?「風子はおかしくないです。むしろ正常に幽体離脱してます」

祐一「…あゆと入れ代わったのか」

あゆ?「岡崎さんと似た人が居ます」

祐一「話が通じてない」

栞「あゆさんと似たような境遇の人がいるんですね」

 あゆ?さんはきょろきょろと周りを見渡しました。

あゆ?「なんだか、向こうと同じ様なことをやっています」

香里「事情が分かっているみたいだから、手伝ってもらったらいいじゃない」

北川「美坂の言うとおりだ。今は猫の手も借りたいほど忙しいんだし」

栞「風子…さん? 手伝ってくれますか」

あゆ?「こらちもまた修羅場でした…」

 結局、あゆさんと風子さんが元通りに戻ったのは、作業が一段落着いた明け方になってからでした…。