CLANNAD小話(2)
<邂逅>
「坂上さん知ってる?」
そう言ってきたのは、二年からクラスが一緒の友達の一人だった。
「うちの学校って進学校なのに裏番がいるんだって」
「初耳だな」
「他校の生徒や卒業生とか、うちの学校の一部の不良とかを裏で仕切ってるらしいの」
「それは厄介だな」
「でしょ」
聴いてしまったからには、生徒会長の任期が未だ残ってる自分にとっては片付けなければならない案件の一つになってしまった。
話し合いで解決できればいいんだが…もしもとなれば、力で押さえ込むしかない。でも、出来れば、本当に話し合いで解決したかった。それより、その裏番長がどこの誰かも分からない。
「よし。こういうことは朋也に相談してみよう」
放課後、以前訊いていた朋也の携帯番号に電話を掛けてみる。
とぅるるるるる…*3 ピッ
「もしもし私だ」
『…誰だっ…ってまあ、こんな掛けかたしてくるのは智代ぐらいか』
「今から時間とれるか」
『一寸待て…芳野さん今日の分コレで上がりですよね』
『ああ、それ付けたら終わりだから付けたら上がっていいぞ』
『と言うわけだから、取りあえず何とかなる』
「そうかそれじゃどこで落ち合う?」
『学校の正門で三十分後でどうだ』
「それでいい」
『よしそれじゃ待っててくれ』
…三十分後…
「すまん、遅くなった」
朋也はやって来た。
「いや、時間ピッタリだぞ」
「だって、女の子との約束って言うのは男が時間より少し早く来ないといけないんじゃねぇか」
「別にそんなことはないぞ」
「まあ、それは兎も角として…用事は何だ」
「それだがな…」
掻い摘んで話す。
「うーん…。裏番かそんなの居たか?」
「朋也が締めてたんじゃないのか」
「そんなことはない。…まてよ?」
「やっぱりそうなのか!?」
「そうじゃなくて…、心当たりがある」
「こころあたり?」
「まだ、居るかな。取りあえず行ってみるか」
学校にとって返し職員玄関から一緒に入った。
「資料室分かるよな」
「取りあえず、在校生だからな」
スリッパをパタパタ鳴らしながら後に続くと、「資料室」の表示。
がらがらがら…
「よう! 宮沢。ご無沙汰」
「あっ朋也さん、お久しぶりですね」
「…」
妙になれなれしい呼ばれ方だった。
「今日は何にしますか?」
「取りあえず、コーヒー貰えるか」
「…此処のどこに番長が居るんだ」
「まあまて」
「番長ですか…怖いですね」
宮沢と呼ばれた女生徒は、コーヒーを三つ用意してそれぞれの手元に置いた。良い香りがする。
「ところで、連中は?」
「そうですねえ、そろそろだと思いますよ」
ガラガラガラ…入り口ではなく、窓の方が開いた。
「ゆきねぇ…オレはもう…」
一瞬の沈黙…どうやら向こうも、私に気付いたらしい。珍客と目があってしまう。
「ゲッ! おっ、おまえはぁ…」
「…」
「お知り合いですか」
「知り合いも何も…」
萎縮している珍客。
「あ、こいつ或る意味伝説だから」
朋也は宮沢にしれっと言い切った。
「そうなんですか」
「もしかして、宮沢って言ったらあの『伝説の男』の関係者なのか」
「それは…お兄さんのことだと思います。ご存知なんですか」
「この界隈では知らないヤツはいないと思う」
「朋也さんは知りませんでしたよ」
「朋也は…見かけほど悪じゃない」
「そうですね」
「で、どうするんだ智代。正体が分かったんだし」
「こういうのも悪くないな」
私は、一人納得して頷くと、
「たまに寄らせて貰って構わないか」
「大歓迎です」
「なんてこった…」
「伝説の男の想い出話もしたい、それに…」
「それに?」
宮沢は首を傾げる。
「出来れば、線香の一つも上げさせて貰いたい」
私がそう言うと宮沢は潤んだ瞳で微笑んだ。
「はい、お兄さんも喜びます。そうですよね」
「おっ、おう」
…数日後
朋也と渚のアパート。
「生徒会長が裏の総番長とつるんで学校を締めてるそうです」
「そうか…って、渚。何だそりゃ!」
「仁科さんから訊いたんですけど…」
「あの二人がつるんでるのは知っているが。締めるのとは別だろう…」
「あの二人って誰ですか」
「い、いや…」
「気になります。教えてください」
「資料室に行けば分かるさ」
噂には尾ひれがつくものだ。…変な噂が立つと、智代も宮沢も大層やりにくいだろうとは思う。
まあ、あの二人は気にしないな。二人揃ったら或る意味最強だしな…。
まあ、オッサンには敵わないだろうけど…
〆
栞「誰でも考えそうなネタ第二弾ですね」
作者「まあ、そうとも言うけど」
茜「手抜きです」
作者「…う゛」
まあ、それを言われちゃうときついんですが…この場はよしとしませう
茜「…嫌です」
うぐぅ…
この文章の本文は雪国鉄道に寄進された物と同一の物です。